忙しくて自分の時間がない20代へ。研究でわかった、タイムマネジメントの本当の効果

時間

皆さんこんにちは。ヘルシーな猫です🐈

突然ですが、私は人見知りで、雑談がとても苦手です。

職場の休憩時間や、ちょっとした立ち話のとき。

「何を話せばいいんだろう」「この返事、変じゃないかな」と考えているうちに、会話が終わってしまうことがよくあります。

ほんの数分のやりとりなのに、気づくとどっと疲れていて、家に帰るころには自分の時間なんてほとんど残っていない。そんな日が続いていました。

もしかしたら、この記事を開いてくださったあなたも、毎日忙しくて自分の時間がなく、「20代で仕事が辛いな」と感じているのではないでしょうか。

「もっと上手に時間を使えたらいいのに」「自分は時間管理が下手なのかな」と、自分を責めてしまう日もありますよね。

でも、どうか安心してください。この記事では、タイムマネジメントについて世界中の研究をまとめた大規模な論文をもとに、時間管理の本当の姿をやさしくお伝えします。

読み終えたときに、明日から少しだけ前向きになれる。そんな時間になればうれしいです。

20代で仕事が辛いと感じるのは、時間の余裕がないからかもしれません

毎日忙しくて「自分の時間がない」と感じてしまう

朝起きて仕事に向かい、帰ってきたら食事や家事、お風呂。気づけば夜になっていて、スマホを眺めているうちに寝る時間になってしまう。

そんな毎日だと、「自分のために使える時間なんて、どこにもない」と感じてしまいますよね。

20代は、仕事を覚えることに必死な時期でもあります。

慣れない業務や人間関係、覚えることの多さで、頭も体もいっぱいいっぱいになりやすいです。

その中で、趣味や休む時間まで削られてしまうと、心が疲れてしまうのは自然なことだと思います。

20代で仕事が辛いと感じるのは、あなたが弱いからではなく、余裕をつくる時間そのものが足りていないからかもしれません。

頑張っているのに追われる感覚が消えないのはなぜ?

頑張っているのに、なぜか時間に追われている感じが消えない。

これは、あなたの努力が足りないからではありません。

やることが多いとき、私たちは頭の中で「次は何をやるんだっけ」「あれも忘れちゃいけない」と、無意識のうちに何度も考え続けています。この「考え続けている状態」そのものが、心の余裕をじわじわと減らしてしまうことも少なくありません。

時間が足りないだけでなく、「いつも何かに追われている感覚」に疲れている。

そんな方も多いのではないでしょうか。

そもそも「タイムマネジメント」って何をすること?

時間を「構造化する・守る・調整する」という考え方

今回参考にした研究(Aeon, Faber & Panaccio, 2021)では、タイムマネジメントを「時間を構造化し、守り、状況の変化に合わせて調整する意思決定」と定義しています。

少し難しく聞こえますが、3つに分けるとイメージしやすくなります。

  • 構造化する:予定表やスケジュールを使って、やることに時間を割り当てる
  • 守る:頼みごとを断ったり、休みの時間に仕事の連絡を切ったりして、時間の境界線を守る
  • 調整する:状況が変わったら、計画も柔軟に見直す

分刻みのスケジュールをきっちり組むことだけが、タイムマネジメントではないんですね。

「断る」ことも、「予定を変える」ことも、大切な時間管理の一部です。

20代で仕事が辛いとき、「もっと詰め込まなきゃ」ではなく「守る」「調整する」という視点を持つだけでも、気が楽になるのではないでしょうか。

時間を増やすのではなく、使い方や「自分で決めている感覚」を整えること

タイムマネジメントと聞くと、「1日の時間を増やす魔法」のように感じるかもしれません。

でも、実際に大切なのは、時間を増やすことではなく、今ある時間の使い方を自分で決められている、という感覚を持つことです。

すべてを思いどおりにするのは難しくても、「これは自分で選んだ時間だ」と思える瞬間が少しあるだけで、気持ちが軽くなることもあります。

研究でわかった、タイムマネジメントの意外な効果

158の研究をまとめた大規模な分析(メタ分析)とは

この論文は「メタ分析」という方法で書かれています。

メタ分析とは、たくさんの研究結果を集めて、まとめて統計的に分析する方法のことです。

1つの研究だけでは偶然の結果かもしれませんが、たくさんの研究を合わせることで、全体の傾向が見えやすくなります。

今回の論文では、2019年までに発表された研究のうち条件に合う158の研究を選び、合計で5万3,957人分のデータを分析しています。かなり大規模な調べ方ですよね。

これから紹介する数字には、「相関係数(r)」というものが出てきます。

これは2つのものの関連の強さを表す数字で、1に近いほど強い関連、0に近いほど関連が弱いことを意味します。マイナスがついている場合は、「一方が増えると、もう一方が減る」という反対向きの関係です。

仕事の成果だけでなく、生活の満足度にも良い関係があった

分析の結果、タイムマネジメントが得意な人ほど、次のような傾向が見られました。

  • 仕事のパフォーマンス:r=.26
  • 学業成績:r=.26
  • ウェルビーイング(心の健康や幸福感)全体:r=.31
  • 人生満足度:r=.43
  • 仕事の満足度:r=.25

どれも「中程度の関連がある」というくらいの数字です。

魔法のように何もかもが変わるわけではありませんが、目を引くのは、仕事の成果よりも、ウェルビーイングとの関連のほうが大きかったことです。特に人生満足度は、仕事の満足度よりも関連が強く出ていました。

タイムマネジメントは、仕事の成果を上げるためのものと思われがちです。

でも著者らは、実際には幸福感や生活の満足度への関わりのほうが大きいと結論づけています。

また、実験の中には、パフォーマンスが上がらなくても、時間管理の練習によって幸福度が高まった例もあるそうです。頑張って成果を出すためだけでなく、自分の毎日を心地よくするための考え方でもあるんですね。

ストレスや不安が軽くなる傾向も見られた

「苦痛」と呼ばれる、しんどさの面でも関連が見られました。

  • 苦痛(全体):r=−.22
  • 心理的苦痛:r=−.25
  • ストレス:r=−.29
  • 不安:r=−.18
  • 仕事と生活の葛藤:r=−.16

マイナスの数字は、時間管理が得意な人ほど、ストレスや不安が少ない傾向があることを表しています。20代で仕事が辛いと感じているときも、時間の使い方を少し整えることが、心の負担を軽くするきっかけになるかもしれません。

20代で仕事が辛いときに、取り入れやすい3つのヒント

ここからは、先ほどの「構造化する・守る・調整する」という考え方を、日常で試しやすい形にしたヒントをご紹介します。

論文がこの方法の効果を保証しているわけではなく、定義を日々の暮らしに置き換えたものです。気になるものがあれば、気軽に試してみてくださいね。

ヒント1:予定を「見える形」にして頭の中を軽くする

やることを頭の中だけで覚えていると、それだけで疲れてしまいます。

手帳やスマホのカレンダーに書き出して、「覚えておく」から「メモする」に切り替えてみましょう。

完璧な計画でなくて大丈夫ですよ。

まずは「明日やること」を3つだけ書くところからで十分です。

そして、「お風呂でゆっくりする」「好きな動画を見る」といった自分のための時間も、予定として入れてあげてください。先に場所をつくっておくと、忙しい日でも守りやすくなります。

ヒント2:「断る」「境界線を引く」ことも大切な時間管理

「断る」のは、なかなか勇気がいりますよね。人見知りの私も、頼まれごとをはっきり断るのはとても苦手です。

でも、すべてを断る必要はありません。「今日は難しいので、明日でもいいですか?」と、期限を相談するだけでも立派な境界線です。休みの日の通知をオフにする、夜の連絡は翌朝に返すなど、自分の時間を守る小さな工夫も、時間管理の一部です。

ヒント3:状況が変わったら、計画も変えていい

予定どおりに進まない日は、誰にでもあります。急な仕事が入ったり、体調がすぐれなかったりしたとき、「計画が崩れた、自分はダメだ」と思わなくて大丈夫です。

状況に合わせて予定を組み直すことは、失敗ではなく、時間管理の大切な要素の一つです。「今日はここまでできたから十分」と、その日の自分を認めてあげてくださいね。

タイムマネジメントは万能ではありません。だから自分を責めなくて大丈夫です

恵まれた条件や環境によって、時間の使いやすさは変わる

ここまでタイムマネジメントの良い面をお伝えしてきましたが、この研究の著者ら自身も、万能ではないと述べています。

時間管理が得意かどうかは、収入や教育など、その人が置かれた環境や条件に左右されることが多いそうです。

「誰にでも1日は24時間ある」とよく言われますが、この言い方は、家事や育児を外注できる人とそうでない人の違いを見落としている、という指摘もあります。

また、担う役割が多すぎる人ほど、時間管理がうまくいきにくい傾向も報告されています。

つまり、時間がうまく使えないのは、あなたの努力不足だけが原因ではありません。20代で仕事が辛いと感じるとき、環境や仕事量の影響も大きいことを、どうか忘れないでくださいね。

研究にも限界があり、「効く」と言い切れない部分がある

この研究にも、限界があります。

分析された研究のほとんどは、ある時点でのアンケートによる調査でした。

そのため、「時間管理をしたから幸せになった」のか、「もともと余裕がある人が時間管理をしやすい」のか、はっきりとは分かっていません。

さらに、特に人生満足度との関連は、研究ごとの結果のばらつきがとても大きいことも分かっています。条件によって、効果の出方が大きく違う可能性があるんですね。

ですので、「時間管理をすれば必ず楽になる」とまでは言い切れません。正直にお伝えするのも、大切だと思っています。

まとめ:明日から少しだけ前向きになるために

今日できる小さな一歩から始めてみませんか

今回の内容を、振り返ってみます。

  • タイムマネジメントとは、時間を「構造化し、守り、調整する」意思決定のこと
  • 158の研究の分析では、仕事の成果だけでなく、生活の満足度やストレスの軽さとも関連が見られた
  • ただし万能ではなく、環境や条件による違いも大きい。時間管理がうまくいかなくても、自分を責める必要はない

毎日忙しくて自分の時間がないと感じているあなたは、すでに十分頑張っています。

だから、大きく変えようとしなくて大丈夫です。今夜、明日の予定を1つだけ書いてみる。あるいは、10分だけ「自分のための時間」をカレンダーに入れてみる。それくらいの小さな一歩で十分です。

その小さな一歩が、明日を少しだけ前向きにしてくれたらうれしいです。

出典・参考文献

  • Aeon, B., Faber, A., & Panaccio, A. (2021). Does time management work? A meta-analysis. PLOS ONE, 16(1), e0245066.

コメント

タイトルとURLをコピーしました